ある人。
ある人のお宅に伺うのは、その人からの仕事依頼に誘われて。
玄関先でピンポンを鳴らすも、返事が無い。
更に鳴らすも、音沙汰無し、、、『またか!?』
仕方なく書き置きで失敬、、、暫し後、携帯に着信。
指定の時間に再訪を約束、、、書き置きは見ていないのか?。
今度も玄関前でピンポンを鳴らす。
人の気配はあるものの、またも返答無し。
室内で騒めく会話あり、、、訪問者?、それとも・・・
気を鎮めて、今一度ピンポンを鳴らす、、、「はい!」
返事に安堵、招き入れられて、さっそく懸案の確認。
部屋に先客の気配を感じない違和感、、、やっぱり!
仕事を優先させ、粛々と作業をこなす。
ふとあることに気がつく、、、ある人の独り言。
部屋中歩き回りながら、誰ともなく話し掛ける、、、ある人。
何方かとの会話、、、摩訶不思議な空間が、そこにある。
その、ある人は一人暮らしが3年目、、、普段は普通な人。
されど、時に騒(ざわ)めく感情の起伏が、訪問者を悩ませる。
何方かとの会話に夢中になり、来訪者の呼び鈴が入らない。
認知症?いや、それとは少し、、、違うような。
どうもある人には、数人の見えない人達?との共同生活があるようだ。
残念ながら、俺にはその人達の姿は見えない、、、だから、
ある人と、見えない人達との会話を気に留めることはしない。
もう2年近く、ある人に呼び出されては同じ光景を目にする。
見えない人達はやはり、俺にはどうしても見えないのだけど、
見えぬものでも、あるのかもしれぬ、
そういう世界も、あるのかもしれぬ。
最近のコメント