時流
仕事を終えて、お茶を頂いていたときのこと。
そのお客様とのお付き合いは、40数年になる。
親父から引き継がせて貰った、上得意のお客様。
昔の炭鉱社宅払い下げ分譲住宅地の一角。
閑静な住宅地で、公園や商店街、学校も近くて、
住みやすい居住区として知られている地域。
ただ、、、
数十年の時が、地域の色合いを変化させた。
世代の交代や家主無き空家の存在が、
少しずつご近所付き合いの疎遠を招き、
隣組や自治会活動にも影響を及ぼした。
いつの間にやら、そのお客様の周りには、
むかし馴染の隣家は消え失せて、
空き地に駐車場、、、
メガソーラーパネルやコインランドリー。
そして、賃貸のワンルームマンションに、
居宅介護施設やグループホームなどなど。
賑やかという名の喧騒に包まれた地域と化した。
「時の流れやろけど、ここも変わり果てたばい!」
ポツリと漏らされた言葉の端に、
一抹の寂しさを感じずにはいられなかった。
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